読書

アンダーグラウンド

日本社会を震撼させた地下鉄サリン事件。連日、膨大な事件に関する報道がなされた。しかし、事件がなにであったのか少しでも分かることができたのであろうか。報道は興味本位でオウム真理教の教義と松本智津夫や幹部信者がいかに異常であるかを畏怖させある…

 「墜落遺体」飯塚訓

「昭和60年8月12日、群馬県の南西部に位置する「上野村」の御巣鷹山の尾根に、日本航空機が墜落し、何の覚悟も準備もできないまま、520の無辜なる魂が一瞬にして奪われました。」(本文より) 本書には警察官として身元確認捜査の責任者として、亡くなられた…

 「邂逅の森」熊谷達也

生涯に一度限りであることを「一期一会」という。 これは、おもに人との出会いをたとえる言葉であるけれど、 本との出会いも「一期一会」であるとおもう。 特に、こころにのこる本との出会は、その思いを強く感じさせる。 まさにこの小説はその「一期一会」…

 「あの日にドライブ」 荻原浩

いまある自分とその日常に不満を感じたときに、 「ああ、あのとき、別の選択を選んでたら。もっと、よりよい自分と、 満足した日常があったのになあ。」と夢想したことはありませんか。 この小説の主人公は元エリート一流銀行マン。 ところが、ふとしたこと…

「寺内貫太郎一家」 向田邦子 新潮文庫

楽しくて、楽しくて、そして、しみじみと泣けます。 その昔、これを題材にして、 貫太郎が小林亜星、 それから、 西城秀樹、浅田美代子、樹木希林、などなど蒼々たる キャスティングでの 小説と同名のテレビドラマがありました。 この小説を読んだ、ちょうど…

「ねじの回転」 恩田陸・著  集英社

もしあのときこうしていれば、 という、個人的な現在の悔恨を回避できる ターニングポイントに思いをはせることに始まり、 もしあのときこうだったら という、別の歴史を考え得るターニングポイントまで 過去に立ち返ることができる装置を考えたときには、 …

「空中ブランコ」 奥田英朗・著 文春ウェブ文庫

最近、ブログ用に気に入った風景があると、 写真を撮るのだが、こんなことを思った。 それは、 いい景色があっても、垂れ下がった高圧線や、電柱が大きく 構図にはいってきたりして、どうもうまくなかったり、 もっと高倍率のレンズでなければ、うまい構図に…

「戦争のつくりかた」りぼん・ぷろじぇくと マガジンハウス 

こんなことを時々思います。 どんな国の人々同士だろうと、 個人どうしが顔を合わせているだけなら、 殺し合いはしないだろうなあ、と、 まして、それが子供同士ならば、 絶対殺し合いはしないし、戦争なんてありえないのに・・・ *** この本は戦争がいろ…

「被差別の食卓」 上原義広・著 新潮新書

こうやってわたしがブログを書いていること つまり、文脈を考えることキーボードをパンチすること、 その行為のための道具ノートパソコン、ルーター、インターネットの接続、 すべての、始まりは食べることです。 それらのすべてを成すためのエネルギーの根…